電験二種 昭和54年 機械 問1

~回転機の損失~

問題

回転電気機械の損失を分類し、その概要を述べよ。

解答・解説

回転機の損失を図に示す。

電気機器の損失は、負荷に無関係でほぼ一定な無負荷損、負荷を負うことによって発生する負荷損に大別される。

ヒステリシス損

鉄心の磁化履歴により生じる損失。交番磁界においては、周波数と磁束密度の2乗に比例するが、回転機では主に回転磁界が用いられるため、回転磁界のための係数を考慮する必要がある。

渦電流損

鉄心中の磁束の変化があると、電磁誘導によって起電力が発生し、これによる電流が流れることによる抵抗損である。交番磁界においては、周波数と磁束密度の積の2乗に比例するが、回転機では鉄心中の磁界分布が一様ではないことから補正係数を考慮する必要がある。

摩擦損

発生する箇所によって軸受摩擦損やブラシと整流子、スリップリング間に生じるブラシ摩擦損などがある。

風損

回転子と、その周囲の気体との間の摩擦によって生じる損失。

直接負荷損

負荷電流によって生じる抵抗損が主となる。また、ブラシでの電圧降下による損失も含まれる。

漂遊負荷損

負荷に起因して、巻線導体や鉄心で発生する損失。

励磁損

回転機の励磁電流により発生する抵抗損。

出典

昭和54年度第二種電気主任技術者筆記試験機械問1

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