電験二種 昭和54年 理論 問2

~過渡現象~

問題

図において、回路が定常状態にあるとき、時刻t=0においてスイッチSを閉じた。次の問に答えよ。

(1)t>0においてインダクタンスを流れる電流を求めよ。ただし、R1R2+R2R3+R3R1=Kとする。

(2)(1)の電流の過渡項の時定数は、いくらか。

(3)有限のR3の値に対して、(1)の電流が、スイッチSを閉じても、時間に対して変化しない条件を求めよ。

解答

(1)

EK(R3+R1R2R1+R2eKL(R1+R2)t)

(2)

L(R1+R3)K=L(R1+R3)R1R2+R2R3+R3R1

(3)

R1=0またはR2=0

解説

回路に流れる電流を以下のように定義する。

図から、以下の回路方程式が成り立つ。

E=R1(i1(t)+i2(t))+i1(t)R2+Ldi1(t)dt

i2(t)を消去するため、もう1つの回路方程式を立てる。

i2(t)R3=i1(t)R2+Ldi1(t)dt

i2(t)を消去し、以下の微分方程式が導出される。

E=L(1+R1R3)di1(t)dt+i1(t)(R1+R2+R1R2R3)

(1)インダクタンスに流れる電流

変数分離による微分方程式の解

E=L(1+R1R3)di1(t)dt+i1(t)(R1+R2+R1R2R3)

定常解i1s(t)di1(t)dtが0になっているため

E=i1(t)(R1+R2+R1R2R3)i1(t)=ER1+R2+R1R2R3

=ER3R1R2+R2R3+R3R1=ER3K

過渡解i1t(t)は、E=0として

L(1+R1R3)di1t(t)dt+i1t(t)(R1+R2+R1R2R3)=0

1i1t(t)di1t(t)dt=R1+R2+R1R2R3L(1+R1R3)=R1R2+R2R3+R3R1L(R1+R3)=KL(R1+R3)

両辺をtで積分する。積分定数をCとする。

1i1t(t)di1(t)dtdt=KL(R1+R3)dt

lni1t(t)=KL(R1+R3)t+C

ここでeC=Aとおくと

i1t(t)=AeKL(R1+R3)t

i1(t)i1s(t)i1t(t)の和であることから

i1(t)=ER3K+AeKL(R1+R3)t

初期条件は、t=0のときi1(t)=ER1+R2より(Lは短絡となっていた)

ER1+R2=ER3K+AA=ER1+R2ER3K

A=EK(KR1+R2R3)=EKR1R2R1+R2

よって

i1(t)=ER3K+EKR1R2R1+R2eKL(R1+R3)t=EK(R3+R1R2R1+R2eKL(R1+R3)t)

ラプラス変換による微分方程式の解

E=L(1+R1R3)di1(t)dt+i1(t)(R1+R2+R1R2R3)

上式をラプラス変換して

Es=L(1+R1R3)(sI1(s)i1(0))+I1(s)(R1+R2+R1R2R3)

i1(0)=ER1+R2より

Es=I1(s)(sL(1+R1R3)+R1+R2+R1R2R3)L(1+R1R3)ER1+R2

I1(s)について解くと

I1(s)=Es(sL(1+R1R3)+R1+R2+R1R2R3)+EL(1+R1R3)(R1+R2)(sL(1+R1R3)+R1+R2+R1R2R3)

R1R2+R2R3+R3R1=Kとなるように変形して

I1(s)=ER3s(sL(R1+R3)+K)+EL(R1+R3)(R1+R2)(sL(R1+R3)+K)

=ER3L(R1+R3)s(s+KL(R1+R3))+E(R1+R2)(s+KL(R1+R3))

第一項を部分分数分解し、ラプラス逆変換できるように変形する。

I1(s)=ER3K(1s1s+KL(R1+R3))+E(R1+R2)(s+KL(R1+R3))

ラプラス逆変換して

i1(t)=ER3K(1eKL(R1+R3)t)+ER1+R2eKL(R1+R3)t

=EK(R3+(KR1+R2R3)eKL(R1+R3)t)

=EK(R3+R1R2R1+R2eKL(R1+R3)t)

なっが。

(2)時定数

一般的に、過渡項は、定数をA時定数をτとすると

Aetτ

と表される。時定数だけ時間が経過すると、A36.8%に減少することになる。よって、時定数は

τ=L(R1+R3)K=L(R1+R3)R1R2+R2R3+R3R1

(3)(1)の電流がスイッチSを閉じても時間的に変化しない条件

i1(t)=EK(R3+R1R2R1+R2eKL(R1+R3)t)

より、時間に依存するのは第二項のみである。この減衰項の係数はR1R2R1+R2より、R1またはR20のとき時間に対して無関係になる。

R1R2ともに0のときは短絡なのでマズい。

ちなみに、この時の電流はR1=0のとき

i1(t)=ER3R2R3=ER2

R2=0のとき

i1(t)=ER3R3R1=ER1

出典

昭和54年度第二種電気主任技術者筆記試験理論問2

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