電験二種 昭和56年 理論 問2

~交流回路のインピーダンス~

問題

図のように二端子回路の端子\(a\)、\(b\)からみたインピーダンス\(\dot{Z}\)が周波数に無関係に一定であるための条件を求めよ。

解答

\(\dot{Z}\)が周波数に無関係になる条件は

\[R_1=R_2=\sqrt{\frac{L}{C}}\]

解説

各周波数を\(\omega\)としたときのインピーダンスを求める。

\[\dot{Z}=\frac{(R_1+j\omega L)(R_2+\frac{1}{j\omega C})}{(R_1+j\omega L)+(R_2+\frac{1}{j\omega C})}\]

\[=\frac{R_1R_2+\frac{L}{C}+j(\omega LR_2-\frac{R_1}{\omega C})}{R_1+R_2+j(\omega L-\frac{1}{\omega C})}\]

\(\dot{Z}\)が周波数に無関係となるためには、\(\dot{Z}\)の虚部が\(0\)であり、実部が一定である必要がある。

この定数を\(\dot{Z}=k\)とおくと、

\[k=\frac{R_1R_2+\frac{L}{C}+j(\omega LR_2-\frac{R_1}{\omega C})}{R_1+R_2+j(\omega L-\frac{1}{\omega C})}\]

ここで、次の2式が成立する。

\[R_1R_2+\frac{L}{C}=k(R_1+R_2)\]

\[\omega LR_2-\frac{R_1}{\omega C}=k(\omega L-\frac{1}{\omega C})\]

上式より、

\[\omega L(R_2-k)=\frac{1}{\omega C}(R_1-k)\]

周波数に無関係になるためには、

\[R_2=k  R_1=k\]

を同時に満たす必要がある。

これを\(R_1R_2+\frac{L}{C}=k(R_1+R_2)\)に代入すると、

\[k^2+\frac{L}{C}=2k^2\]

\[k=\sqrt{\frac{L}{C}}\]

以上より、

\[k=R_1=R_2=\sqrt{\frac{L}{C}}\]

出典

昭和56年度第二種電気主任技術者筆記試験理論問2

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