電験二種 昭和56年 理論 問1

~コンデンサの計算~

問題

図に示すように、間隔dの平行平板電極がある。両極間は、厚さがそれぞれd1及びd2の2種類の導電性誘電体(導電率g1及びg2、誘電率ε1及びε2)で満たされている。電極間に図のように直流電圧V0を加えたときの誘電体境界面の電位及びそこに現れる面電荷密度を求めよ。ただし、平行平板電極は無限に広いとみなし、端効果は無視するものとする。

解答

誘電体境界面の電位は

d2g1d1g2+d2g1V0

誘電体境界面の面電荷密度は

ε2g1ε1g2d1g2+d2g1V0

解説

解説1

極板面積をSと仮定し、このような等価回路に変換する。

ここで、それぞれの素子は

R1=1g1d1S  R2=1g2d2S

C1=ε1Sd1  C2=ε2Sd2

で表される。

誘電体境界面の電位VBは、R1R2によって分圧されていると考えられる。

VB=R2R1+R2V0=R2=1g2d2S1g1d1S+R2=1g2d2S=d2g1d1g2+d2g1V0

V1は、

V1=V0V2=d1g2d1g2+d2g1

誘電体境界面の面電荷密度σは、C2に蓄えられる正電荷Q2C1に蓄えられる負電荷Q1の差Q2Q1を面積Sで除した値である。

Q1=C1V1=ε1Sd1×d1g2d1g2+d2g1=ε1g2Sd1g2+d2g1V0

Q2=C2V2=ε2Sd2×d2g1d1g2+d2g1=ε2g1Sd1g2+d2g1V0

σ=Q2Q1S=ε2g1ε1g2d1g2+d2g1V0

解説2

導電性誘電体の電界をそれぞれE1E2とする。

ここで、方程式をたてる。

V=Edより、

V0=E1d1+E2d2

電流密度J=gEであることから、電流密度の連続性より

g1E1=g2E2

E2=g1g2E1より、

V0=E1(d1+g1g2d2)

E1について解くと

E1=V0d1+g1g2d2=g2d1g2+d2g1V0

E2=g1g2E1より、

E2=g1d1g2+d2g1V0

誘電体境界面の電位は

VB=E2d2=d2g1d1g2+d2g1V0

電束密度Dと面電荷密度は等しく、D=εEより、

D1=ε1E1=ε1g2d1g2+d2g1V0

D2=ε2E2=ε2g1d1g2+d2g1V0

面電荷密度はD2D1より、

σ=D2D1=ε2g1ε1g2d1g2+d2g1V0

出典

昭和56年度第二種電気主任技術者筆記試験理論問1

コメント

Verified by MonsterInsights
タイトルとURLをコピーしました