電験二種 昭和55年 送配電 問3

~直撃雷、地絡方向継電器、許容電流に関する複合問題~

問題

次の\(\boxed{   }\)の中に適当な答を記入せよ。

(1)鉄塔が雷の直撃を受けたとき、鉄塔の接地抵抗が\(\boxed{   }\)いと、大きな\(\boxed{   }\)のため鉄塔の電位が上昇し、送電線に\(\boxed{   }\)を起こすことがある。これを防止するため、山地等の固有抵抗値の\(\boxed{   }\)ところに建設される鉄塔には、\(\boxed{   }\)を施設する。

(2)\(6.6\)[kV]配電線の地絡故障保護に使用される静止形地絡方向継電器は、故障時に発生する零相電圧及び零相電流の値がそれぞれ所定の値以上になったときに動作する。したがって、この継電器により検出できる\(\boxed{   }\)抵抗の最大値は、配電線の対地静電容量が\(\boxed{   }\)い系統では零相\(\boxed{   }\)の値で、逆に対地静電容量が\(\boxed{   }\)い系統では零相\(\boxed{   }\)の値で制限される。

(3)地中ケーブルの許容電流は、他の機器及び電線の場合と同様に、この程度ならそのケーブルの\(\boxed{   }\)に悪影響を与えないと考えられる許容\(\boxed{   }\)によって定められている。したがって、実際の許容電流は、設置する状態、すなわち、周囲\(\boxed{   }\)、許容電流値を流しているときの全\(\boxed{   }\)及び発熱部から周囲への\(\boxed{   }\)によって左右される。

解説

直撃雷

(1)鉄塔が雷の直撃を受けたとき、鉄塔の接地抵抗が大きいと、大きな雷電流のため鉄塔の電位が上昇し、送電線に逆フラッシオーバを起こすことがある。これを防止するため、山地等の固有抵抗値の大きいところに建設される鉄塔には、埋設地線を施設する。

地絡方向継電器

(2)\(6.6\)[kV]配電線の地絡故障保護に使用される静止形地絡方向継電器は、故障時に発生する零相電圧及び零相電流の値がそれぞれ所定の値以上になったときに動作する。したがって、この継電器により検出できる地絡抵抗の最大値は、配電線の対地静電容量が大きい系統では零相電圧の値で、逆に対地静電容量が小さい系統では零相電流の値で制限される。

\(a\)相一線地絡地絡事故が発生したときの系統図を示す。ここで、対地静電容量\(C\)以外の線路定数を無視する。

対称分等価回路を示す。

対地静電容量以外の線路定数を無視しているため、正相・逆相インピーダンスは\(0\)となる。

零相電圧\(V_0\)、零相電流\(I_0\)を求めると

\[V_0=\frac{\frac{1}{\omega C}}{\sqrt{\left(3R_g\right)^2+\left(\frac{1}{\omega C}\right)^2}}E_a=\frac{1}{\sqrt{1+\left(3\omega CR_g\right)^2}}E_a\]

\[I_0=\frac{V_0}{\frac{1}{\omega C}}=\frac{E_a}{\sqrt{\left(3R_g\right)^2+\left(\frac{1}{\omega C}\right)^2}}\]

よって、\(C\)が大きくなるほど\(V_0\)が小さく、\(C\)が小さくなるほど\(I_0\)が小さくなることから、地絡抵抗の最大値は配電線の対地静電容量が大きい系統では零相電圧の値で、逆に対地静電容量が小さい系統では零相電流の値で制限される。

許容電流

(3)地中ケーブルの許容電流は、他の機器及び電線の場合と同様に、この程度ならそのケーブルの絶縁物に悪影響を与えないと考えられる許容最高温度によって定められている。したがって、実際の許容電流は、設置する状態、すなわち、周囲温度、許容電流値を流しているときの全発生熱量及び発熱部から周囲への熱放散によって左右される。

出典

昭和55年度第二種電気主任技術者筆記試験送配電問3

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